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「嬉しかった時」「悲しかった時」「励まされた時」・・・。そんな時に食べた洋菓子(patisserie)の味をもう一度。

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1ヶ月遅れでやってきたバースデーケーキ

      2017/06/19

息子の誕生日は3月10日、毎年私は仕事帰りに、会社の近所のケーキ屋さんでバースデーケーキを買うことにしていました。

 

その日、仕事が終わってケーキ屋さんに向かっていたら、店先が暗くなっているのに気がついたのです。

「あらら、本日お休みしますって…。」どうも臨時休業のようでした。

帰り道にケーキを買えるのはこのお店だけだったので、しかたなく諦めて帰りました。

 

息子に「ケーキ屋さんがお休みだったから、明日でいいかな。」と言うと、「いいよ、明日は運転免許の書き換えで有給取ったから。」と快く答えてくれました。

 

翌3月11日、息子は午後から免許の更新のため出かけて行きました。

私も仕事が休みだったので、ゆっくりケーキを買いに行こうと思っていました。

 

そんな時、大きな揺れに襲われたのです。

あわててテレビをつけると、東北では信じられないことが起きていました。

「東日本大震災」です。

 

私が住んでいるのは横浜で震度5強でした。幸いわが家では大きな被害はありませんでしたが、息子は試験場へ行く途中の電車で被災しました。

免許の更新どころではなくなったので、バスと徒歩で暗くなる頃、やっと帰ってきました。

 

私もケーキを買いに行くどころではなくなって、室内の地震で落ちたものの片付けなどに追われてしまいました。

 

東日本大震災の後は、テレビではどの局も被災地の中継だし、わが家では計画停電の心配もあり、心がつぶれそうな日々が続きました。

毎日、余震に襲われて不安な中、停電や流通の関係でお店の品物が無くなってしまうような状況で、家族の誰もバースデーケーキのことを言う人はいませんでした。

 

そして、東日本大震災から1ヶ月過ぎた頃、息子は再開した試験場で、やっと運転免許を更新することができました。

 

私はケーキのことを思い出し、ケーキ屋さんに行ってみました。

まだ入ってくる材料が少ないということで、ウインドウの中のケーキは少なかったのですが、小さなショートケーキを家族の人数分買うことができました。

 

その夜、みんなで1ヶ月遅れの息子のバースデーを祝いました。

「どうなるかと思ったけど、ケーキが食べられるくらいまでになって良かったね。」、いつもの年よりも嬉しいバースデーケーキを感慨深く味わいました。

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